モノ・セスキ・ジテルペンはすべて植物から、もしくはその精油から、水蒸気蒸留、抽出、クロマトグラフィーといった操作によって得られる。若い植物は炭化水素であるテルペンが、成熟した植物は酸素を含んだ誘導体、例えばアルコール、アルデヒド、ケトンなどを含んだものを生産する。工業的に化学合成され、生産されているテルペンもある。松の樹液から得られるピネンはメンタン、ミルセンやペリルアルデヒド、樟脳など、他のテルペノイドの合成原料として利用される。また、ミルセンからはメントールが製造される。
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歴史 [編集]
「テルペン」という名称は、アウグスト・ケクレによって考案された、テレピン油 (turpentine) に由来するものである。最初はテレピン油に含まれる炭化水素や樹脂酸といった物質を指す語であった。のちに意味する対象は広がり、語の定義もより正確なものになっていった。テルペンの化学に最も大きく貢献したのは、ケクレのもとで研究を行ったオットー・ヴァラッハと、クロアチア生まれの化学者レオポルト・ルジチカである。
生物によるテルペンの合成(生合成)がどのようにして行われているのかを初めて明らかにしたのはリュネンとブロッホである。彼らはそれらがメバロン酸経路によるものであることを示した。今日ではさらなる研究によって、植物ではイソペンテニル二リン酸 (IPP) やジメチルアリル二リン酸 (DMAPP) へと至る他の生合成経路も存在することが知られており、これはメチルエリトリトール経路(2-C-methyl-D-erythritol 4-phosphate pathway, MEP経路)、あるいは発見者の名をとってローマー経路 (Rohmer pathway) と呼ばれる。メバロン酸経路は細胞質基質に、MEP経路は葉緑体や白色体などのプラスチドに見られる。これらふたつの代謝経路の間で物質がやりとりされることはほとんどない。すべてのモノテルペンとジテルペンはプラスチドで生合成されるのに対し、すべてのセスキテルペンは細胞質基質で生合成される。
細胞質基質でのテルペン生合成(メバロン酸経路)は、酢酸の活性化体であるアセチル補酵素A(アセチルCoA)より始まる。アセチルCoAがクライゼン縮合によってアセチル化体であるアセトアセチルCoAとなり、さらにアルドール縮合を受けるとβ-ヒドロキシ-β-メチルグルタリルCoAが生成する。これがメバロン酸に変換される。
当初、テルペンには抽出された植物などを由来とする名称が与えられていたため、結果として同じ化合物に対して複数の名前が付けられていた。ヴァラッハは1884年にそれらの整理を行い、多くは同一のものであることを示した。1892年には9種のテルペンの存在を明らかにした。また、1884年から1914年にかけて、180ページからなる Terpene und Camphor (テルペンと樟脳)を著した。ヴァラッハはテルペンがイソプレンを元に構成されていることも指摘した。アドルフ・フォン・バイヤーはテルペンの構造の整理に関する研究を行った。しかしながら、長きにわたる調査にもかかわらず、完全に構造がわかっているテルペンは多くなかった。セスキテルペンで初めて正しい分子式が明らかにされたのはサンタレンで、1910年、フリードリヒ・セムラー (Friedrich William Semmler) によるものである。
イソプレン則の原型は1887年にヴァラッハによって提唱され、1922年にルジチカによって「イソプレン則」としてまとめられた。フェオドル・リュネンとコンラート・ブロッホは1964年にテルペンの生合成に関する報告を行い、のち1965年にリュネンは著書 Der Weg der "aktivierten Essigsäure" zu den Terpenen und Fettsäuren (「酢酸」からテルペンおよび脂肪酸への経路)を発表した。